2020.01.01ジオパーク紀行

磐梯山ジオパーク「神秘の裏磐梯」

裏磐梯の景色は最近できたって本当?

磐梯山の南側を表磐梯、北側を裏磐梯といいます。下の写真は現在の磐梯山の北側「裏磐梯」の様子です。

1888(明治21)年、裏磐梯では噴火による山体崩壊が起きました。

 

岩なだれが川をせき止め、桧原湖(ひばらこ)や五色沼など多くの湖沼群をつくりました。たった130年前の出来事です。

五色沼の色の秘密は酸にあり!?

1.銅沼(あかぬま)

五色沼の水源と言われる「銅沼(あかぬま)」は、今も噴気が昇り、硫黄臭が漂う磐梯山の噴火口近くにあります。

沼の水は強い酸性で湖底の泥が水酸化鉄を含んで赤く見えるため、全体が赤い色に見えます。

 

五色沼は銅沼から流れる強酸性の水と、途中でアルカリ性の湧水と混ざり合い、様々な色彩を放っていると言われています。

 

2.毘沙門沼

毘沙門沼は弱酸性です。酸性の湧水があり、色はコバルトグリーン。鯉が泳ぐ五色沼最大の沼となります。

 

3.みどろ沼

みどろ沼も弱酸性の沼です。3 つ以上の色を楽しめる不思議な沼で、様々な水生生物をみることができます。

 

4.青沼

青沼は酸性で、青く澄んだ美しい沼です。透明度が高く、水底にある緑の苔の色で神秘的な色を放っています。

 

5.るり沼

るり沼も酸性で、青く澄んだ瑠璃色の沼です。五色沼で一番上流にあるので銅沼の水が最初に流れ込みます。

 

荒廃した裏磐梯の救世主とは?

提供元:磐梯山噴火記念館

1910(明治43)年頃、裏磐梯は荒地の状態でした。

 

そこで、「美しい森を取り戻したい」と立ち上がったのが実業家遠藤現夢(げんむ)です。

 

彼は私財を投じ、アカマツを中心に杉や漆など10 万本の木々を植林しました。木々を移動するため、荒野に道路まで作ったそうです。その功績から、現夢は「緑化の父」と呼ばれています。

 

アカマツの苗木は2 ~ 3 本まとめて植えられたのでこのように育ちました。自然では考えられない生え方です。

 

自然と人との協働により、今の風光明媚な景色が作られたということです。

アカマツに囲まれた現夢の墓

 

 

 

The following two tabs change content below.
アバター画像

JHS LIBRARY 編集部

一人でも多くのお客様の安全・安心な住まいづくりを支えたいという想いから「JHS LIBRARY」をスタートしました。地盤から法律知識、住宅会社様のユニークな取り組みなど様々な情報をお届けします。

このエントリーにコメントする