室戸ユネスコ世界ジオパーク「地殻変動の最前線」
高知県東部の室戸市全域をエリアとする室戸ユネスコ世界ジオパーク。
今でも大地が隆起し続ける地殻変動の最前線であり、地球のダイナミックな営みによって生じた地形や地質を観察できる地質学研究の世界的なスポットです。
今回は室戸ジオパーク推進協議会の高橋さんと小笠原さん、岬観光ホテルの千頭( ちかみ)さん夫妻にご案内いただきました。
シマシマの岩が普通やと思うちょった
高知龍馬空港から雄大な太平洋を感じながら海岸線を車で走ること80分、高知の先っちょに室戸市はあります。
国道から2分ほど歩くと表紙のようなシマシマ模様の少し異様な岩が現れました。
高知龍馬空港から雄大な太平洋を感じながら海岸線を車で走ること80分、高知の先っちょに室戸市はあります。
国道から2分ほど歩くと表紙のようなシマシマ模様の少し異様な岩が現れます。
これはタービダイトと呼ばれる約1600万年前に深海に堆積した砂と泥が固まった岩。室戸沖の南海トラフと呼ばれる場所で陸のプレートが海のプレートに押され、大地が隆起することによって、地上に現れたものです。
室戸で生まれ育ち旅館を経営する千頭(ちかみ)さんは「子どものころから見てるから、岩はシマシマが普通やと思うちょった」と土佐弁で教えてくれました。
今にも動き出しそうな生命力あふれるアコウ
そこから少し歩くと突然現れる大樹は国の天然記念物に指定されているアコウの木。冬でも温暖な室戸には亜熱帯植物が多く茂っています。
無数の根が岩肌を締め付けるように張り巡らされた姿は、まるで自らの意思を持っているかのよう。常に強風が吹き荒れる室戸で生き抜くために、このように成長するのです。エネルギーに満ちたこの大樹を目の前にすると、地球の偉大さ、自然の迫力にただただ圧倒されます。
地殻変動のたびに新しい大地が生まれる室戸。幕末の志士たちは、いったいどんな景色を見ていたのでしょう。
次に、この隆起し続ける大地で生き抜いてきた人々の暮らしをのぞいてみましょう。
JHS LIBRARY 編集部
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