2019.07.01ジオパーク紀行

室戸ユネスコ世界ジオパーク「地殻変動の最前線」

 

海と陸が出会う場所とは?

 

室戸沖には海のプレートと陸のプレートがぶつかる南海トラフと呼ばれる場所があります。そこで海のプレートが陸を押し続けることによって室戸は1000 年あたり2メートルという驚異的な速さで大地が持ち上がっています。海中の大地が持ち上がり、地上に姿を現したとき、新しい大地が誕生するのです。

 

室戸の金目鯛が美味しいワケ

 

室戸の東海岸は陸地から近い距離の海中に深さ1000mの巨大な崖があります。そこには栄養豊富な海洋深層水が湧き上がり、良質な植物プランクトンが豊富に発生しているため、良い漁場となっているのです。

 

また、漁場が近いことから鮮度を保ったまま魚の運搬が出来るため、深海の高級魚である金目鯛も日戻り漁※で味わうことが出来ます。他にもブリ、さば、アジ等も大敷と呼ばれる定置網漁で漁獲されています。※日戻り漁/漁が終了後すぐに港に帰り、その日のうちに魚を市場に流通する漁

 

 

美味しい作物がつくれる秘密は?

室戸には「海成段丘」と呼ばれるかつて海底だった平坦面が隆起した台地があります。

 

水はけの良い砂や泥で出来ているため土壌が良く、標高180mで遮るものがないので日照時間の長いこの場所は、作物を育てるのに絶好のロケーションです。

 

「畑は土作りが大事」と言われますが、室戸の土作りはおよそ12万5000 年もの時間をかけているのです。土がいいので何を作っても美味しくなるというわけです!

 

室戸ジオパーク推進協議会高橋さん

 

室戸市 吉良川(きらがわ)の街並

室戸ジオパーク推進協議会小笠原さん

続いて、厳しい自然と共生するための土佐の知恵を、小笠原さんにご案内いただいました!

 

室戸は日本観測史上最大風速69.8m/sを記録した地です。

 

台風銀座と呼ばれる高知県で唯一の重要伝統的建造物群保存地区の吉良川には激しい風雨に耐える工夫がたくさんあります。

 

1.土佐漆喰

 

土佐漆喰とは、江戸時代に高知県で生まれた優れた耐久性・防火性をもつ漆喰です。その耐久性と仕上がりの美しさが認められ、全国的に施工されています。

 

2.右瓦、左瓦

 

風雨が強い方向によって瓦が異なって配置されています。左瓦は全国的にも珍しい光景です。

 

3.水切り瓦

水切り瓦は、台風などの横なぐりの雨が建物の壁を打ち付けることを防ぐ建築技法。水切り瓦の段数は、その家の豊かさの象徴なんだそうです。

 

流れ星に願い事が5回も唱えられる!?

300 度を海に囲まれた室戸岬では東の海から太陽が昇り、西の海に太陽が沈みます。

 

岬観光ホテルを経営する千頭さんご夫妻

室戸の西側で生まれ東側のお嫁さんをもらった千頭さん(ご主人)にお話を伺いました。

 

室戸では、夜になると月と星と灯台の光だけになるそうです。

 

 

 

「流れ星がごっつうなごお流れる。室戸では願い事を5回は唱えられるきね。」とロマンチックに教えてくれました。

 

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