地盤ソリューション

Ground Solution

初めから安全・安心に暮らせる土地なんてない。

地盤を調査している様子 地盤を調査している様子

日本では、宅地には適さない軟弱地盤に建築しなければならないケースがあります。地盤調査を怠ると、思いがけない地盤事故につながることも珍しくありません。だからこそ、地盤をしっかり調べて、ときには対策工事を行うことが大切です。住まいの万が一をなくし、安全で豊かな未来を地盤から支える。それがジャパンホームシールドの地盤ソリューション事業です。

日本の土地事情

山間部の街を空から撮影した写真

山地や丘陵地が7割以上を占める、日本

宅地に適した土地には既に家が建っているため、人工造成地を宅地とすることが増えてきました。例えば、海・川・沼池などの埋立地や、傾斜のある土地を平らにするために切土(きりど)や盛土(もりど)をした造成地です。長い時を経て強く締め固められた自然地盤に比べると、人工造成地は緩く弱い地盤です。建物と地盤に最適な設計をしなければ、「不同沈下」という地盤事故が発生してしまうことも。昨今では、日本特有の地形や宅地問題が相まって発生する、液状化被害や土砂災害、洪水・浸水被害も問題視されています。

日本が直面してきた社会問題

日本における住宅建築は、今まで様々な問題・課題を抱え、それを乗り越えてきました。その歴史とジャパンホームシールドの取り組みについて、ご紹介いたします。

1990年〜

不同沈下問題の多発、「欠陥住宅」問題と法整備

まだ現地調査や綿密な地盤解析が行われず、近隣データを基に設計するか、改良工事を行うために地盤調査を行っていた時代でした。そんななか、1995年に起きた阪神淡路大震災。建物被害(損壊・焼損計)も甚大で、住家約52万棟、非住家約5,800棟にのぼったとされ、「欠陥住宅」が大きな問題となりました。これを機に、法整備が進んでいきました。

住宅会社も施主様も地盤の専門家ではないため、地盤リスクをしっかり検討しないまま軟弱地盤に家を建ててしまうこともあります。その結果、地盤が建物の重さに耐えられず、建物が不均等に沈下する「不同沈下」が多数発生していました。
不同沈下は、沈下修正工事で修復することはできるものの、建物価格と同程度の費用がかかるケースもあり、大きな社会問題となりました。

建物が傾いた図

JHSの取り組み

地盤調査・解析・品質保証「地盤サポートシステム」※旧名称 地盤保証システム

2000年〜

耐震偽装事件と瑕疵保険

各種法整備が進んだことで欠陥住宅問題は解消されると思われましたが、新しい問題が発生するようになりました。

法律は整備されたものの、企業や設計士ごとの異なる解釈により、新たな問題が生まれます。強固な地盤に不要な地盤改良工事をする「過剰設計」や、その逆で軟弱地盤に工事をしない「過小設計」により、不同沈下が発生していました。
そして2005年の耐震偽装事件。問題となった「過小設計」の裏側には、「見えない地盤よりも内装にお金をかけたい」という施主様の想いがありました。業界の競争ポイントが「いかに工事不要という結果を導くか」に傾いていたのがこの頃です。このままでは業界全体の信頼が失墜してしまうという危機感から、ジャパンホームシールドは「SDS試験」を旗印に、根拠ある地盤解析を行い、安全性と経済性をひたすら追求していきました。

建物がぐらぐらしている図と、建物の地下に柱が多数埋め込まれた図

JHSの取り組み

さらなる安全性・経済性を「SDS試験」「解析システム」「解析基準の改訂」「B-STR」

現在

自然災害の頻発

大型地震による液状化被害。 豪雨による洪水・浸水被害や土砂災害など、記憶に新しい自然災害が近年数多く発生しています。

2011年の東日本大震災以降、自然災害が起こると土地特性への関心がさらに高まりました。そこで、ジャパンホームシールドは、これまでに蓄積した地盤情報を「地盤サポートマップ」として一般に無料公開することを決定。また、地震時の揺れやすさ、液状化や土砂災害の可能性など、近年ニーズが高まる自然災害情報について、より詳細にご覧いただける「土地情報レポート」もリリースしました。日々のくらしから非常時への備えまで、住生活をトータルでサポートしたいという強い想いが形となったサービスです。

地盤サポートマップの画面。地図が色分けされている。

JHSの取り組み

液状化調査、地盤サポートマップ、土地情報レポート

ジャパンホームシールドの取り組み

地盤を取り巻く様々な問題に直面したジャパンホームシールド。これらの課題をどのように捉え、どのように解決していったのか。今までの取り組みをはじめ、生み出した独自の技術や提供サービスをご紹介いたします。

確かな地盤解析と
責任の証としての品質保証

調査・工事会社や住宅会社様から独立した第三者の立場で、地盤と建物の有資格者が「根拠が明確な地盤解析」を行い、安全な地盤品質を保証するサービスが生まれました。

attempt-01-01

地盤サポートシステム

現地調査・データ解析・資料分析など地盤を多角的に検討。地盤設計に最適解を導き出し、その品質を最長20年間保証します。

SWS試験データ 200万件、SDS試験データ 50万件、ボーリングデータ 8千件、表層地層図、航空写真(1970年台)、旧版地形図(明治〜平成)、特殊土壌エリアマップ、沈下事故情報

解析基準×解析システム

これまでの知見が集約された基準とビッグデータ搭載のシステムを駆使して、事故リスクを徹底的に排除します。

イメージ写真

SDS試験の開発 :特許技術

従来の試験に高精度な土質分析をプラス。地盤事故要因となる「土質」をローコストで見極めるための技術です。

擁壁工事の様子

擁壁特約

全体の6割※にのぼる擁壁起因の地盤事故。擁壁下の地盤調査と特約は、万が一のリスクへの備えとなります。

当社にご相談いただいた事故データにおいて(自社調べ)

空きテナントの写真

非住宅への技術展開

宅地地盤で培った技術とノウハウをロードサイド店舗※などの商業施設へ展開しています。

地盤調査・基礎設計累計店舗数4,368店舗(自社調べ)

アメリカ、ニュージーランド、タイ、アレーシアが赤くハイライトされた世界地図

海外共同研究

SDS調査機の販売や、SDS試験法を活用した調査協力など、国内で培った技術を海外へ展開しました。

安全性と経済性を両立する工法技術の開拓

対策工事が必要な地盤にも、安全性と経済性を追求してきました。
ジャパンホームシールドが提供する3つの工法は、いずれも第三者機関に認められた安全性の高い技術です。

ピュアパイル工法を用いた地盤補強の様子

ピュアパイル工法

セメントミルクを地中で杭状に固化させるため、地盤種別によらず高品質で高支持力を発揮する安心確実な地盤補強工法です。

イメージイラスト

B-STR(ビーストラ)

構造計算による基礎と地盤の相互検討を行い、負荷荷重に応じて基礎の断面と改良杭の配置・杭長を最適化。安全性とコストダウンの両立を実現します。

イメージイラスト

SQ Pile(エスキューパイル)

先端を平板形状にすることで地盤の乱れを抑え、高い先端支持力確保。角型鋼管を回転貫入させ、杭にかかる負の摩擦力を最小限にする工法です。

防災・減災のためにできることを

2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震を教訓に、地盤のプロとして防災・減災のためにできることを社員で考え、新サービスとして提供を始めました。

机の上で小さな家の置物が傾いている写真

液状化調査

SDS試験の土質判定技術と水位計を用いて、液状化リスクを簡易的に判定します。

じゃぱわんくんという犬のキャラクターと、地盤サポートマップの画面イメージ

地盤サポートマップ

地盤の強さや地震や液状化、洪水などの災害リスクがわかるWebサービス。無料で誰でも閲覧できます。

土地情報レポートの画面が4つ並んでいる

土地情報レポート

住宅購入者に土地の弱点を知ってほしい。適切な対策をして、安全・安心に暮らしてほしいという想いから開発されたレポートです。

ジャパンホームシールドでは、確かな品質でより良い暮らしを届けたい、というコアとなる考え方を元に、ソリューションを提供して終わりではなく、お客様の声を元に品質向上へ取り組み、新しいソリューリョンを提供する、といった改善活動に取り組んでいます。

より良いくらしの未来を創る精神

品質向上の3つのポイント

ジャパンホームシールドの様々な取り組みの背景には、全社員に根づいた「より良いくらしの未来を創りたい」という精神があります。サービスを提供して終わりではなく、その後にお客様へのフォローアップと情報収集を行い、新たな課題や改善点を明確化し、さらなる品質向上に向けて、より良いソリューションを提供できるよう日々努めています。

未来へ向けて

家族が庭先で遊んでいる写真 家族が庭先で遊んでいる写真

地盤と建物の技術を拓き、確かな品質で、より良いくらしの未来を創造する

災害大国、日本。
自然災害は震災にとどまることなく、地球温暖化の影響で豪雨災害も頻発する時代を迎えました。
さらに、日本特有の地形や気象条件は、土砂災害や水害をも引き起こします。

――こんな時代に、私たちに何ができるだろうか。
私たちのくらしが育まれる場。 それを支えているのは 「地盤」です。
この地盤とひたすら向き合い、私たちは “確かな品質” を追求し続けてきました。
住宅業界を超えて、培った知見を一人でも多くの方に届けようと、
国際学会やメディア向けの被災地踏査報告会、地盤サポートマップなどを通して、
防災・減災につながる情報発信を行っています。

そして今、AI技術を用いた高度な解析手法の実用化や
地盤のビックデータを活かしたデジタルサービスなどの開発を進めています。

安全で、より良いくらしの未来を創るために、
私たちは明日も地盤を調べ、防災・減災に役立つ技術を拓き続けます。