失敗しない雨漏り調査とは?良い業者・費用・調査方法の見極めに欠かせない視点
雨漏りはいつ・どこから発生するかわかりません。また「梅雨の時期」や「台風の後」に雨漏りが発生するイメージが多いように感じますが、「なぜ雨漏りするのか」原因を特定するのは実はとても難しいのです。雨漏りを放っておくと別の箇所でも発生したり、二次被害が起こり家の寿命を縮めてしまう可能性もあります。
今回は、失敗しないための雨漏り調査の業者選びのポイント、費用、当日の調査の流れについてご説明します。
雨漏りはどうして起こるの?
雨漏りは、外から室内に貫通しているところ、主に外壁、屋根、ベランダ、サッシ、換気扇などから室内に水が入り発生します。経年劣化が一番の要因ではありますが、施工不良で起こってしまうことも多いです。
木造住宅の場合は、サイディングやモルタルといった外壁材の裏に、防水紙と言われる水の浸入を防ぐ役割をもった防水層があります。雨水が防水紙を抜けると、部屋に入ってきてしまうため、防水施工が適切にされていないと雨漏りが発生してしまうことが多くあります。
新築住宅の施工をしている工務店は、防水施工もしっかり考えて、雨仕舞(あまじまい)※1も行っています。
※1雨仕舞とは、建設・建築の現場において、作業途中の開口部に浸水防止の処置(製品の構造や設置・固定)を施すことを指します。「防水」との違いを簡単にご説明すると、「防水」は雨水を防ぐこと。「雨仕舞」は、防水機能はもちろん、雨水を上手く誘導し、雨樋や地面などに受け流す構造をいい、建物の中に雨水が入らないようにする仕組みの総称を指します。
雨漏り調査にはどのような方法があるの?
雨漏り調査は大きく分けて、一般的に①散水調査、②ガス調査、③電気調査があります。雨漏りは「雨水」の浸入によるものであり、水を使用した散水調査が主流です。また、ガス調査、電気調査という方法は様々な条件を満たすことが必要となります。
①散水調査
水をかけて雨漏りの状況を再現した調査になります。再現することで、建物のどこから雨水が入るのか、雨漏りを発生させる雨水の外部浸入口を特定していきます。
②ガス調査
主にマンションやビルに多いコンクリート造の建物に向く調査方法として利用されています。室内にガスが逃げないように注入し、建物の外部でガスを検知していく調査方法です。雨水とは違い、下から上にガスが上がっていき、どこから抜けるのかを確認して雨漏り箇所を特定する方法です。
ガスを使った調査は、一般にも流通しているガスを使用するので使用方法を間違わなければ問題ありません。ガス調査は使用条件が厳しくなるので、天井にガスが逃げないように養生しなければいけなく、天井の材質によっては実施ができない場合があります。
③電気を使った調査
水は電気を通すので、漏水しているところに電気を検知できる機械を置いて外で当てていきながらどこで電気が通るかを確認していく調査方法です。コンクリートを湿らせて、ひび割れ等を回路とし電気を通します。ただし、電気の流れる量は気温・湿度・構造体の材質などによって異なるため電気を使った調査は、経験と熟練を必要とする難しい調査といわれています。
業者選びのポイントと費用
良い業者を見極めるポイントは、「調査記録が出る会社」をお勧めします。
雨漏り調査を行う会社は、雨漏り調査専門の会社や外壁工事や屋根塗装を行うリフォーム会社など多様な業態がありますが、その調査の方法も様々で、中には簡易に調査する会社もあります。簡易に行う会社とは、すなわち雨漏り調査の結果の報告書が出ない会社で、こういった会社は雨漏り調査の記録が残らないので、あとで雨漏りを繰り返してしまっても、その原因や補修方法について依頼者との間で「言った」「言ってない」の問題が起きることがあります。
また、報告書が出るといっても、雨漏り箇所の特定まではされずに、大きい範囲での雨漏り箇所の可能性を示唆するに留まるというような報告書もあります。こういった場合には、補修工事の実施箇所が必要以上に広くなってしまい高額な工事代金がかかってしまったというケースもあります。
そして調査を実施する際には、雨漏り調査について良いことばかりではなく、散水した場合の室内部材(クロスなど)への被害説明や風による水飛散の隣地への注意喚起、道路通行人に対する事前の注意案内など、事前に注意事項について説明してくれる業者が良い業者といえます。
良い業者の3つのポイント
1.調査報告書が出る(記録を残してくれる)
2.可能性ではなく、原因の特定まで至っている
3.事前に雨漏り調査の注意案内も説明してくれる
費用について
一般的に雨漏り調査の費用は雨漏り調査を専業としている会社であれば、戸建住宅の雨漏りで1か所あたり20万円前後の会社が多いですが、調査専門でない会社だと「無料」という会社もあります。
「無料」で雨漏り調査をする会社の中には、補修工事の実施が前提の会社などがあります。補修箇所について原因の特定までしてくれている会社ならまだ安心できますが、そうではない会社もありますので良い業者のポイントに当てはまっているか、事前に確認してから雨漏り調査を依頼しましょう。
JHSの「侵入箇所がわかる雨漏り調査」とは?
弊社の雨漏り調査費用は、雨漏り箇所など詳細な情報を事前にしっかりとヒアリングを行い、見積もりを先にお出ししますが、調査費用としては約25万円となります。調査後には、写真つきの詳細な雨漏り調査報告書もお渡ししており、補修箇所などもわかりやすくご説明しております。
一般的な雨漏り調査費用に比べると少し高いと思われがちですが、 弊社の雨漏り調査は入口と出口を結ぶ「レインボービューシステム」という特殊な発光液を使用した方法で調査を行い、浸入箇所(出口)を特定しています。
先駆的な「レインボービューシステム」
紫外線を当てると発光する7色のレインボービュー検査液を構造物の屋根や壁から流し込むことにより、一般の散水試験では分かりにくい、水の通り道を可視化することで雨水の外部浸入口を発見することができます。
また、雨漏りの原因箇所が複数個所にわたるような建物も多く見受けられますが、そういった場合にも複数色の検査液を使うことにより、複合的な雨漏りの原因を特定することができます。
レインボービュー調査液を使用し、室内で紫外線照射器を当てると検査液が反応して発光し、色を見るだけで雨水の外部浸入口が特定できます。
また、調査にはサーモグラフィー検査も併せて使用します。室内になかなか水が入ってこない(目視で雨漏りが確認できない部分がある)場合、お客様の情報を元に推測した雨漏り箇所部分にサーモグラフィーを当てます。このとき、雨漏りの反応があると、サーモグラフィーを当てた箇所の色が変化し、雨漏り箇所を特定することができます。このような反応が確認できれば、早い段階で雨漏り調査を終了する場合もあります。これは長時間、家の中に水が入るという状態を避ける為に行っています。
※レインボービュー液は白濁色で水に混ぜると透明になり、光を当てると反応して7色に光ります。調査終了後にふき取りますので、検査液の後は目立ちにくくなります。
JHSの基本的な雨漏り調査の流れ
【ご相談の受付・お見積り】
ご相談頂きましたら事前に、工務店様や管理会社様から対象となる建物の雨漏りの情報をいただきます。ここで重要になるのは「いつ起きた?どこの部屋?どこの箇所から漏れた?」など雨漏りに関する細かい情報になります。こちらを事前にお知らせしていただくことで、正確なお見積書を作成できます。
また同時に住宅の平面図と立面図もご提出いただきます。平面図は、ヒアリングだけでは実際の雨漏り箇所が分かりづらいので、図面上に詳しくマーキングし雨漏り箇所を把握します。例えばリビングの場合、リビング全体ではなく、どの箇所から漏れたかを記載していただきます。
立面図は、調査の範囲を計画するために必要となります。弊社の雨漏り調査は雨水の再現を行う散水調査となるため、実際に雨がかかる屋根・外壁・バルコニーなどの陸屋根に水をかけて雨漏りの再現を行います。水は上から下に流れていくので、雨水がどのような経路を辿って雨漏り箇所に到達しているか確認をするため、立面図で垂直面上にどのような順番で水をかけていくかを計画し、正しい手順で雨漏りを再現することが重要となります。
雨漏りの調査は長時間に及ぶこともありますが、当日の作業を効率的に実施するためにもこういった事前の調査計画の作成が重要となっています。こういった調査計画とお見積り内容にご承諾いただいた上で、依頼書を弊社までお送りいただき、受付完了となります。
【当日の流れ】
雨漏り調査は、丸1日かかります。実際にどのような流れで調査をするか詳しく説明します。
STEP1.漏水状況を把握
お客様からの聞き取りと目視確認により室内の漏水状況について事前にいただいている情報と合っているかを確認します。
※当日、事前に聞いていた箇所に追加して雨漏り調査を行う場合は、別途費用が発生します。ご注意ください。
STEP2.漏水箇所を再現
散水をする前に漏水している場所に近い家具が、濡れないようビニール等で養生して行います。その後、水栓を借りホースをつないで、外から散水し漏水を再現し、おおよその原因箇所の目処をつけます。
STEP3.雨水の外部浸入口を特定
漏水するまで外部から散水を行います。漏水箇所が確認できたら雨漏りの原因と思われる箇所にレインボービュー検査液を水と混ぜて散水します。最初から検査液をかけてしまうと色が混ざってしまい雨漏り箇所がわからなくなってしまうため、一度漏水発現させてから検査液を使った調査を行います。検査液が雨漏りの外部浸入口を特定できたら調査は終了となります。
STEP4.調査結果を報告書で詳しく説明
雨漏り調査から10日前後で、原因を特定し調査報告書をメールにてお送りします。調査の結果を受けて、当日の雨漏り原因箇所を記録した報告書を作成します。
報告書では通常、原因箇所の近景画像のみを使用しますが、弊社では遠景画像+近景画像を使用して、誰が見てもどこの箇所かわかるように作成しています。また原因箇所以外に散水した箇所も立面図にまとめて表記しておりますので、調査でどこに散水したかも一目瞭然です。雨漏りを再発させないために必要な補修工事の方法などについても、建物の構造などを加味して検討した上で、報告書として取りまとめています。
大規模マンションや商業ビルも対応可能ですが、建物によっては調査方法も異なり、建物が大きいので散水する範囲も広くなり、調査日数がかかります(マンションや商業ビル2~3日)
まとめ
お客様の知りたいにお応えする「侵入箇所がわかる雨漏り調査」は、初めて雨漏りを経験したお客様からではなく、何度も雨漏りを繰り返してしまいストレスを抱えて困っているお客様や、補修工事をしたり、他の調査会社や外壁会社へ依頼してみたけど、原因が特定できずに困っているお客様から高い評価をいただいております。
弊社では年間300件を超える雨漏り調査を行っております。雨漏り調査は対応が遅くなればなるほど家の劣化が進むので、早期解決することが最も重要です。さらに、弊社では雨漏り問題の根本的な解決をするために着工中の新築戸建住宅の防水施工がきちんとされているか、弱点がないか、などを調べる「建物品質検査サービス」も行っています。弊社は雨漏り調査の早期解決を目指しながら、雨漏りの原因を排除するための建築時の施工状況の確認まで幅広く雨漏りの問題に向き合っています。
繰り返す雨漏りを早期に解決したい、そんなお悩みを抱えているなら、是非一度お問い合わせください。
【注意】
弊社の雨漏り調査サービスは、工務店・管理会社・不動産会社向けのサービスとなっており、個人のお客様へは直接提供しておりません。調査のご依頼は、弊社へ登録のあるお近くの事業者様へお問い合わせください。
※企業サイトへの掲載を承諾いただいた事業者様のみ情報を公開しております。
次回は、雨漏りの修理費用の目安、補修業者選びのコツや注意点についてご説明します。

JHS LIBRARY 編集部

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