2018.11.16住宅会社リポート

イゼッチハウス北海道さん|全国へ「フルゼッチの家」届けたい

取材・文 = 松本めぐみ(新建ハウジング)

 

今回は「住宅の省エネ性能」に徹底的にこだわるイゼッチハウス北海道さんの鏡原勲社長にインタビューをしました。

その言葉からは、「極寒の北の大地でハイレベルな省エネ住宅を通じて幸せな暮らしをつくりたい」という熱い想いと、つくり手としての高いプライドが感じられます。

 

フルゼッチの家で、光熱費ゼロ生活を

イゼッチハウス北海道さんが提供するのは、冬場は毎日のように氷点下の気温を記録する札幌でも、光熱費の収支をゼロにできる『フルゼッチ【F・ZEH】の家』。“フルゼッチ”とは、「ZEHのさらに上をいく」という意味を込めて、鏡原社長が考案した造語です。

 

その名の通り、同社が建てた家は高断熱・太陽光発電で「光熱費ゼロ生活」を実現。新築してから2年間は、光熱費が売電収入を上回った場合の差額分を自社が負担する保証を付けるなど、住宅性能の高さに自信を見せます。これが同社が「フルゼッチ」と呼ぶ由縁です。

 

「光熱費ゼロ生活」という言葉も、鏡原社長自ら顧客にていねいにヒアリングをして編み出したもの。「ZEHと言われてもピンとこない」という女性の声を耳にし、誰もが想像しやすい「光熱費」というワードに着目。「家計にも環境にも優しい暮らし=光熱費ゼロ生活」と打ち出し、住宅性能にこだわる男性はもちろん、女性のハートもがっちりつかんでいます。

 

モデルハウス宿泊体験 暖かさ知り契約率100%

昨年7月には、見学だけでなく宿泊体験もできる「フルゼッチの家モデルハウス」を北広島市にオープンしました。

イゼッチハウス④

宿泊者は、札幌市や北広島市の住民はもちろん、長野県や東京都など遠方からの人も。「札幌近郊に住みたい」と考える人たちが、こぞって宿泊にやってきます。

 

冷え込み始める11月を境に宿泊者は急増し、同月に宿泊した顧客の契約率は、なんと100%を記録。

 

2018年に入ると人気はさらに高まり、1月の宿泊可能日は満杯に。2月からは急きょ枠を増やして対応に追われるほどの人気ぶりです。

イゼッチハウス②

室内気温は、エアコンや暖炉などがないにもかかわらず、常に25℃を維持。

冬は土間床暖房による全室暖房を、夏は土間床冷房による全室冷房を体感でき、1年を通して快適な環境とエネルギーコストゼロを実現します。

 

宿泊した人が口にする「1階も2階も床も天井も、どこも温度が変わらずびっくり」という素直な驚きの言葉が、説明のいらない住宅性能の高さを如実に物語っています。

 

「寒い地域だからこそ暖かく快適な家で暮らしたい」と望む多くの道民にフルゼッチの家を一つの答えとして示します。

 

ZEH時代の先駆者に

今からさかのぼること3年前。「ZEH」という言葉が少しずつ広がり始めたころ、すでに住宅性能の重要性を確信していた鏡原社長。

「これからはZEH住宅が住まいのスタンダードになる時代が来る」と予想し、現在の自社ホームページのURLでもある「zeh.jp」というドメインを取得しました。来る“ZEH時代”を見据えた鏡原社長の決意表明です。

 

そんな鏡原社長の読みは見事に的中。

2020年には注文戸建住宅の過半数をZEHに、2030 年には新築住宅のZEHを実現すべく、世の中は動き出しました。

 

業界に先駆けてZEHにいち早く取り組んできた同社は、さらに優れた省エネ性能を実現すべく突き進みます。室内の温水暖房の余剰熱をロードヒーティングに再利用する「あんしん融雪システム」や、部屋のどこにいても暖かく温度差の少ないヒートポンプ式土間床暖房「床ホットシステム」などを自社開発。

 

2016年には「第7回さっぽろ環境賞 地球温暖化対策部門優秀賞」を受賞し、その住宅性能の高さは広く札幌市民の知るところとなったのです。

イゼッチハウス⑤

床ホットシステム・あんしん融雪システムの構造

 

イゼッチハウス⑥

あんしん融雪システムにより融かされた駐車場の雪

 

「住宅建築の神髄を知りたい」

農家に生まれた鏡原社長は、寝ていたら顔の周りに霜がつくような寒い家で幼少期を過ごしました。そうした環境で暮らすことで、知らず知らずのうちに暖かい家への憧れが生まれたのかもしれません。

 

大人になると、「住宅建築の全てを学ぶ必要がある」と考え、住宅自体の仕組みを深く学ぼうと、まずは自分の手で家をつくり上げる大工になりました。「建てる側の気持ちも頼む側の気持ちも知りたい」と思い立ち、自分がオーナーとなるアパートを自力で施工するなど、6年ほど走り続けました。

 

その後も営業・設計・経理など、住宅会社における一通りの分野を学び、平成4年に大洋建設(現在はイゼッチハウス北海道グループ会社)を設立しました。

 

北海道のZEHはかならず全国に通用する

ZEH住宅を建て続ける中で、鏡原社長には「北海道でZEHが実現できれば、全国に通用する」という強い想いがあります。今後計画しているのは、「九州にフルゼッチの家を建ててデータを取りながら」、「“イゼッチハウス北海道”として全国展開を進める」こと。

 

「本島の方が気候はずっと落ち着いているのに、冬場は家の中が寒く上着を着ている人もいるとよく聞きます。これはおかしなことです」と鏡原社長。「当社の家が九州地方でも通用すると知ってもらえれば、おのずと本島でも実践できるということになります。それをデータで証明し、全国に北海道ZEHを生活文化として広めていければ」と、今後の目標を語ります。

 

そんな鏡原社長が今一番注目しているのが「地中熱」。ハウス栽培に生かす仕組みづくりに取り組んでいます。「ジャパンホームシールドとともに『エコタウン』や『ZEHタウン』をつくりたい」と夢を語ります。

 

鏡原社長が生み出したフルゼッチの家は、これからも人々のあたたかな暮らしを守っていきます。

 

イゼッチハウス⑧

イゼッチハウス北海道を支える従業員の皆さん

 

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JHS LIBRARY 編集部

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