2020.01.21住宅会社リポート

PI-CORPORATIONさん|巡り会いとつながりを大事に30年。

社員の意見や要望をしっかり聞く折田社長。自然に相談できる雰囲気が同社の社風に生かされています。

 

神奈川県横浜市の本社のほか、相模原支店、静岡支店、福岡支店を展開するピーアイコーポレーションさん。1986年の設立以来、徐々に規模を拡大しながら30年以上にわたって不動産分譲や住宅建築請負などを行っています。今回は、社員の意見を受容する社風から生まれた現代型古民家『くすの木ハウス』。従来にない発想の「大黒柱を軸に“整った”空間」を提案する同社の魅力に迫ります。

取材・文 = 竹葉理子(新建ハウジング)

 

事業に生きる自由な発想を育む

ここ数年で、着工数が2倍になるほど急成長を遂げているピーアイコーポレーションさん。折田浩一社長が経営で大事にしているのは「巡り会い」。これまで縁あって巡り会った人とのつながりが事業を拡大してきました。

すべての人との「巡り会い」を大事にし、つながりを育むことで同社を急成長させた折田社長

 

「人と巡り会ったことを大事にする。人を立場やマニュアルで縛られないようにすれば、自由な発想が生まれるでしょう。実際に、現場の職人から良い意見が出てくることも多いですよ」と話す折田社長。営業や設計のそれぞれの担当者、職人など、立場が違えば様々な意見があるはず。折田社長は人との間に垣根をつくらず、どんな意見でも受け入れるようにしているそうです。

 

開発推進事業部 現代型古民家推進室 馬場慶典課長も「折田社長は人の意見や要望を、とにかく聞いてくれる人」だといいます。それとなく上手く案配し、知らず知らずのうちに問題が解決されているというように、絶妙に導いてくれる方だそうです。

 

そんな雰囲気の社長の席には、普段から社員が自然とやってきて、相談事を始めるそうです。職人さんとも年に数回食事会を開くなど、直接会う機会を設け、長きにわたって関係を深めています。折田社長は「付き合いのある良い職人さんが、また良い職人さんを呼んできてくれる。そんな縁を大切に、今後も広げていきたい」と話します。

 

一方で同社は、WEBで新たな取り組みを始めました。訴求強化のため、建築本体価格を明確に示しています。「お客様の立場になって考えた時、どういう構造のどういう仕様の家がいくらなのかが分かりやすい方が良いと思ったのです。表示通りの価格で建てられることが、当社で建てていただいたお客様から口コミで少しずつ広がればいい」と折田社長は話します。

 

大黒柱を軸にした整った空間「くすの木ハウス」

従来、同社が提供してきた注文住宅や分譲住宅は、住みやすさを生かしたモダンなデザインが特徴です。しかし、東京都世田谷区に新たに完成した現代型古民家「くすの木ハウス」はそれとは大きく異なるデザイン。どこか懐かしさを感じる雰囲気を醸し出しています。

大黒柱は、実際に家を倒壊などから守る大事な柱であるとともに、日本人にとってご先祖様に守られ、共に住まう大切な象徴です。

 

艶めく大黒柱、そこから渡された現しの梁、一体感を覚える吹き抜け、真砂土を用いた土間や畳の部屋が設けられた真壁づくり。

 

馬場課長は、くすの木ハウスについて「うまく言い現れませんが」と前置きしつつ、「頭で考える幸せではなく、そこに居るだけで心が整い、身体の内側から『幸せだなぁ』と湧き上がってくるものを感じる家」と表現します。

 

重要な要素となるのは大黒柱。馬場課長は「中央に位置する大黒柱によって、家が“中心性”のある“整った”空間になるといいます。大黒柱は構造上でも中心にあり、住む人の精神的な支えにもなります」と、手作りのコマを用いて説明してくれました。

「くすの木ハウス」の開発背景をコマを用いて説明する馬場課長

 

コマは軸を中心にして遠心力と求心力がかかり、さらに重力が働き、周りに均等に引かれる作用が生じることで倒れません。「地球や太陽、体も細胞、分子、原子があって原子核が回っているように、すべては軸ありきなのです」と馬場課長。軸となる大黒柱が“中心性”のある“整った”空間をつくり、住む人の“精神的な軸が立ち、心が整いやすい”ことにつながるのです。

 

家づくりは最初に間取りを考えますが、「くすの木ハウス」では、敷地に中心となる大黒柱を据え、梁、屋根を掛けてから部屋の配置を考えるという逆の発想です。この考え方でたどり着いたのが日本の昔の家、今でいう古民家だったそうです。「くすの木ハウス」の実現は、自由な発想や意見を受容する同社の社風によるものです。それは折田社長が社員に抱く信頼と、「好きなことをやってほしい。その方が人は伸びていく」という想いが基礎となっています。

 

完成見学会には全国から約80人が集まりました。旅館のような内観はインパクトがあり、子どもがはしゃいだり、大人も「童心に帰れる」と大きな反響がありました。

 

左上/寝転んで眺めたいアートのような梁。視覚的にも安心感を与え、織りなす形は豊かな心を育んでくれそうです。 右上/大地の呼吸を感じる土間。広い昔ながらの土間は、家族が一つになる心を育んでくれることでしょう。 左下/吹き抜けのある広い玄関。開放的な空間のため、そこに住まう家族みんなを感じることができます。 右下/空間にマッチする和みの畳。畳のある空間は、優しく安らぎを与え、かつ凛とした厳かな雰囲気も私たちに与えてくれます。

 

未来に向けて

折田社長は、現在の事業規模をベースに「今後10年で10倍が目標」と意欲的。「住宅では建て売りがコア事業ですが、今後は建築請負にも一層力を入れ、商業系の建物も手掛けたい」と事業拡大も検討しています。

 

また、今後は若手社員の育成にも力を入れたいとのことで、新卒社員を入れることに注力しています。採用の中心となっているのが、今春入社した総務・人事部の森川汐音さん。「当社の場合、まず会社を知ってもらうことが大事。大手のWEBサイトを使うのではなく、当社から学生さんにアプローチできるSNSを活用しています」と頼もしい働きぶりです。

 

いきいきと話す森川さんを笑顔で見守る折田社長や馬場課長の姿に、若い人のアイデアもどんどん活用しようという柔軟な姿勢がうかがえます。同社の社員は女性比率が30%と、多くの女性が活躍されているそうです。折田社長は「当社の社員が結婚して子どもを産んでも仕事を続けられるように、くすの木ハウスの工法を生かした“古民家風保育園”も考えています」と明かしてくれました。

 

ピーアイコーポレーションさんは、人との巡り会いとつながりを大事にしながら、従来の形にこだわることなく、自由な発想を生かした新たな取り組みを進めています。

 

最後に「JHSで良かった!」というエピソードがあれば、教えてください。

土地についてお客様にご説明する時に、JHSの豊富なデータはとても役立っています。地盤調査のデータ量、土地情報の保有量はJHSがピカイチだと思っています。情報だけではなく、地盤調査の申込みや物件管理ができる「JHSオンラインサービス」の使い方から、造成前の技術的な相談まで、JHSのサポートは弊社にとって大変役立ってますね。

左 ピーアイコーポレーション 馬場課長、右 JHS 黒川 誠司

 

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JHS LIBRARY 編集部

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