2018.09.13住宅会社リポート

「良い家は良い現場から」作り手全員が一体となる家づくり/ALLAGIさん(大阪府)

木内様と佐野様

工務部の木内弘さん(左)と佐野祐樹さん(右)

大阪府のアレジさんの信念は、「家づくりを通して関わる全ての人々を幸せにする」こと。その“幸せにする人々”の中には、顧客はもちろん、社員や協力業者(職人)も含まれています。

「自分たちの本気度が伝われば、整備された現場で良い家をつくりたいという想いは次へとつながっていく」と話すのは、日本一の現場づくりのかじ取りを託された木内弘工務長。

現場から全員を幸せにするべく、さまざまな現場改善の仕組みづくりを進めています。

取材・文 = 松本めぐみ(新建ハウジング)

 

良い家をつくるのはまっすぐな想いを持った「人」

アレジさんが目指す日本一の現場とは、現場に入場する全員でつくりあげる「良い家をつくることができる現場環境」のこと。それを実現するためには、現場の声に耳を傾け、改善を繰り返し、全員で協力体制を敷いて取り組んでいくことが重要になります。

 

そこで同社では、工務部と協力会社が集まり意見を交わす「合同勉強会」を月に1度行っています。大工や設備など、業種ごとに年間スケジュールを組み、最近の現場状況や新しく発見した納まりなどを共有。現場を整然と保つための工夫も話し合い、改善後の結果もフィードバックしています。

勉強会の様子

 

実はこの勉強会、全業種との勉強会が一周したことを機に、昨年春に一度終了しました。しかし、「とても良い施策だから」と谷上元朗社長から声がかかり、半年前に再開。勉強会後はそのまま酒席へと繰り出し、互いに腹を割って話せる信頼関係を築ける場として、今となっては同社になくてはならないものになっています。「職人たちはみんな自分の仕事に誇りを持っていて、誰もが良いものをつくりたいと思っています」と木内さん。

 

「本気で現場を良くしたいと思っているとこちら(社員)が言動や姿勢で示すことができれば、まっすぐな想いを持つ職人や協力業者はついてきてくれます。最後は結局、人と人なんです」と笑顔で話します。

管理が徹底された現場

管理が徹底された現場。「建物の外部もお客様のお住まい」という想いが行き届き、現場周りもきれいな状態が保たれている。

 

「良い家は良い現場から」大工の本気が伝わる

現場環境整備(現場づくり)に秀でた大工は、全協力業者が一堂に会する毎月の工程会議で、「大工褒章制度」にのっとり表彰されます。大工造作工事の期間中、工務部が計4回現場を訪れ、20項目ある「管理協力チェックシート」を用いて現場の状態をチェック。「隣地・敷地内にゴミ・廃材・釘・ビスが放置されていないか」「現場内は常に掃除され道具・資材は整理・整頓されているか」など細分化されたポイントを見て、是正数が少ない順にS・A・Bランクに振り分けられます。表彰されるとともに、Sランクに10万円、Aランクに7万円、Bランクに3万円の金一封も贈呈されます。

大工褒章ランク

大工褒章ランク

表彰される大工が携わる現場では、造作工事など大工がメインの仕事が完了した後も、完ぺきに整備された状態が維持されていくそうです。木内さんは、その理由について「現場に最も長く入る大工が本気だと、相乗効果で他の職人も真剣に取り組むようになるんです」と説明します。自主的に見学者用のスリッパを用意するなど、チェック項目に関わらず、顧客や現場の仲間のことを考えた工夫を実践する大工もいるそう。工程会議に毎回参加するジャパンホームシールドの菊池さんも「日本一の現場に向けての意気込みがひしひしと伝わってくる」と感嘆するほどです。工務部から大工へ、大工から次の業種の職人へと、本気の想いが伝わっていくのです。

 

スリッパ

Sランク大工が自主的に用意した現場見学者用スリッパ。玄関廻りは人工芝を敷き、土の汚れから守ります。

 

アレジサイト小

アレジの新築注文住宅事業サイトSTYLE HOUSEに掲載されている現場解説画像

 

アレジサイト現場解説画像

クリックすると詳細を見る事ができる。

 

パンフいい現場

顧客に配布する「いい現場」を解説するパンフレット。〇☓形式で注目ポイントがわかりやすくまとめられている。

 

 

手すり

2階の開口部には落下防止の手すりを取り付けるなど、現場の安全管理も徹底。

 

「日本一の現場」に嘘はない

同社が現場改善に本気で乗り出したきっかけは、昨年7月にとある研究会に参加したこと。全国各地で現場改善に全力で取り組む工務店の人々と出会い、その徹底ぶりに衝撃を受けた谷上社長が、「良いプランだけあっても意味がない。実際の現場が良くなくては」と決意し、社内体制をガラリと変化させました。

 

まずは毎週金曜日に「工務部現場環境整備巡回」を行い、同社が定める整備基準が守られているかをチェック。工務部12人が3班に分かれ、徹底的に行います。これには月に1度、谷上社長も同行し、毎回8現場程度を1日かけて巡回。工事品質だけでなく、現場内外や近隣道路の清掃状況まで細かくチェックします。

 

現場変革に伴い、産業廃棄物の処理方法も変更。段ボールを工務部が回収し、週に1度リサイクル業者に回収を依頼するといった努力を重ねた結果、現場で発生する産業廃棄物を前年度に比べ33%削減することに成功しました。さらに、施工中に足場にかけるイメージシートも刷新し、「日本一の現場」という文字を大きく掲げ、意識を高めていきました。

 

「(社長の)巡回開始当初は指摘の連続でした」と木内さん。昨秋、施工中の自社のモデルハウスを巡回に訪れた際、雑然とした現場を見た谷上社長から「イメージシートの文字(日本一の現場)に嘘がないと言えるか」と問われ、工務部総出で現場を見直し、整備し直したこともあるそう。

 

「あの苦い経験があるからこそ、このイメージシートに嘘はつけない。だからこそ今でも現場改善に本気で取り組むことができ、どんどん現場が良くなっているんです」と話します。

 

アレジ様イメージシート

 

培われる現場の想い、顧客にも

昨秋から現場改善を本格化させた同社。しかし、実は前身となる谷上工務店時代から、月に1度バスを借りて本社や支店をめぐり、社員同士で互いの職場の改善点を指摘するという活動を行っており、それは現在も続いています。全員参加で現場をつくるという〝DNA〟が進化した結果として、「日本一の現場を目指そう」という目標が掲げられたのです。

スタッフ・イベント様子

スタッフの顔やイベントの様子など、アレジの雰囲気が伝わるよう工夫されたInstagram。これを見た若者たちが「アレジで一緒に働きたい」と集まるのだそう。

そんな想いが顧客にも伝わり始めたのか、現場状況を職人間だけでなく施主とも共有できる「目視録(もくしろく)」アプリを介し、「最近は『現場の写真をもっと見たい』というお客様からの要望も増えたように思います」と話すのは木内さんと同じ工務部に所属する佐野祐樹さん。施主ではない新規顧客からの現場見学の要望もあるといいます。

黙示録アプリ

目視録アプリを使用する様子。顧客との共有はもちろん、図面などを協力業者間と共有することも可能。

 

新築棟数は毎年前年度比130% と好調の同社。現場のモチベーションアップが実績アップに直結しています。今後も社員・協力業者・施主が三位一体となった良い家づくりを極めるため、日本一の現場を目指し続けます。

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JHS LIBRARY 編集部

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