構造計算×地盤補強設計で安全な家づくり/丸良木材産業
受注の7割が紹介を占めるほど、お客様や地域から信頼されている丸良木材産業さん。より安全・安心で、質の高い家づくりを追求し、その信頼に応え続けている同社の宮島哲也副社長に話を聞きました。
取材・文 = 荒井隆大(新建ハウジング)
材木店から工務店へ
木材産業が盛んな和歌山県ですが、同社も社名の通り、ルーツは材木店。1974年、顧客だった大工さんの後押しもあって、工務店に業態を転換しました。当初は木造住宅を主に手掛けつつ、大手の下請けも行っていました。
2002年パナソニックの耐震工法・テクノストラクチャー工法と出合ったことが、工務店として大きな転機になりました。
当時はまだ全棟構造計算を掲げる工務店は珍しい存在でしたが、8年後には工法をテクノストラクチャー工法に一本化。並行して、下請けからの脱却も図りました。
安全・安心というコンセプトは、その前からずっと変わりません。しかし、システム化された工法の採用で経験などに頼っていた工務店の限界を超え、さらに信頼を高めていきました。
質を高めるため、工事は月8棟まで
同社は、品質を担保するための取り組みとして、同時に工事を行う棟数を、1カ月あたり8棟に制限しています。どんなにたくさん受注を獲得できる見込みがあっても、あえてそれを調整して、月8棟のペースをキープしています。
当初、家づくりを楽しみにしているお客様の要望に応えたい営業スタッフからは、反発もあったといいます。しかし、棟数を増やすとどうしても回転率を上げねばならず、質を落とさないために重要だと考えました。
宮島副社長によれば、8棟は「今の体制(社員48人)で無理なく施工できる上限」。過去に一度月間9棟ペースにトライした時期がありましたが、完成検査での指摘事項が増えてしまったそう。この失敗を繰り返さないためにも、8棟は重要な数字なのです。
「なぜ」が説明できるから、お客様も納得
「上部(建物)は構造計算しているのに、建物の下にある地盤にそれがないのはおかしい」と語る宮島副社長が導入を決めたのが、ジャパンホームシールド(JHS)の地盤改良設計「B-STR(ビーストラ)」です。
B-STRは、地盤と基礎と建物を一体的に検討して、その建物に合わせた杭の配置を設計するシステム。補強に必要な杭の本数が減らせ、コストダウンにもつながりますが、それだけで導入したわけではありません。
なぜ、お金がかかる地盤補強が必要なのか、コストは下がるとはいえなぜ杭を減らしていいのか、理由を説明できなければお客様は納得してくれません。建物の構造計算もそうですが、「理屈があるものは説明しやすい」と宮島副社長が言うとおり、計算しているからこそ、納得してもらえる説明ができるのです。
同社では、設計や施工の専門家ではない営業のスタッフでも「建物がこうなので、地盤もこうする必要がある」と説明ができ、お客様にも納得していただいているそうです。「嘘をつかない」計算をベースにしているからこそ、説得力も増すのです。
JHSは信頼する大事なパートナー
地盤品質保証を提供する会社は増えていますが、宮島副社長はJHS以外に依頼する気は全くないといいます。コストだけを追求するのではなく、安全性もきちんと考えて提案し、不可能なことはできないとはっきり答えてくれる「不可欠なパートナー」として、絶大な信頼を置いています。
地盤のこと以外でも、JHSが発信した情報で気になるものはすぐ担当者に問い合わせ(問い合わせ件数では近畿圏トップクラス)、「どんな些細なことでもきちんとした答えが返ってくるので何でも相談できる」と宮島副社長は話します。
お客様や地域の人々が、同社を「家のことなら丸良さん」と信頼しているように、宮島副社長もJHSを信頼して、いい関係をつくり上げています。
お客様のためになる家をつくり続けたい
長年に渡って積み重ねてきた家づくりの根幹である安全・安心も、今後も変わることはありません。むしろ「家は何十年も残るもの」であり、目先の流行ばかりを追いかけないよう気をつけているといいます。
名経営者として知られる松下幸之助氏は「無理に売るな 客の好むものを売るな 客のためになるものを売れ」という言葉を残しました。宮島副社長も「“お客様の希望にやみくもに追従すること”イコール“お客様の幸せ”ではない」として、真にお客様のためになる家づくりを今後も追求していきます。
JHS LIBRARY 編集部
最新記事 by JHS LIBRARY 編集部 (全て見る)
- 安全性と経済性の両立を実現する新しい鋼管工法SQ Pile(エスキューパイル) - 2022年11月16日
- 住宅会社が取り組むべきSDGs - 2022年9月16日
- 新人現場監督応援キャンペーン開始!「施工管理教育サポート」 - 2022年6月30日